2017年05月

自由を歌う〜忌野清志郎リスペクトナイト〜

まさか「音楽を演る人」と「音楽を聴く人」の間に、
第三の人間がしかもこんなにうじゃうじゃ蠢いているなんて想像もできなかった。
それが音楽業界という魔界だ。


忌野清志郎は著書「ロックで独立する方法」で
このように語っている

僕はこのたび
ドローレ・レコードなる自主レーベルを立ち上げて
CDを制作し流通に乗せてめでたく自分の作品を全国発売したのだけれど

これはずいぶん前から思い描いていた
「ロックで独立する方法」を何とか自分なりのやり方で実現したものだ

作品を通じて全国いろんなとこに行ったり
いろんな人に出会えたらいいな

そうやって音楽を通じて人と繋がって生きていけたら
僕たちは正解だし成功だ


週末は
吉祥寺の曼荼羅という老舗ライブハウスで
忌野清志郎リスペクトナイトというイベントに出演させてもらった

僕らのグループでもサックスを吹いてくれている
サットくん率いるSTEPPEN STONEの企画だ

そこでどのバンドも最低1曲
RCサクセションもしくは忌野清志郎の曲を演奏することになっていて

僕らのバンドは
僕が「自由」を、ギターのイトーちゃんが「トランジスタラジオ」を
それぞれ歌うことになっていた

全バンド事前に曲の打ち合わせなどなかったのだけれど
全てのバンドが必ず1曲目にRCの曲を演奏するという偶然に
僕は少し感動していた

なんという忌野清志郎への愛とリスペクトだろう

ハナシがずいぶん飛んでしまうんだけど
10年前に渋谷生音弾で「夕暮れロッカー」をリリースした時に
そん時の出版社の社長から出すだけ出してホッタラカシにされたことがあって

「せめて10万、いや5万、いやいや3万でいいから宣伝費出してくれないか」
って社長に詰め寄ったことがあったんだけど全然ダメで

流通も作品もなんだか中途半端な感じになっちゃって
「思ったほど売れなくてこっちもうまいこと乗せられた」
なんて逆にその社長に被害者ヅラされたことが
もう悔しくてアタマに来て情けない経験をしたことがある

今となってはそれはとても貴重な経験で

自分が作りたい音楽を聴かせたい人に聴かせたい分だけ届けるために
もうとにかく今回はなるべく自分の出来ることは自分でやろうと
いろいろ画策してやっとリリースにこぎつけることが出来たこのタイミングで

(もちろんこの度のリリースに関しては関係各位本当にたくさんの方のお世話になりました!)

今回演るなら「自由」しかないな!なんて思った(笑)
最初メンバーの反応はイマイチだったけど(苦笑)

実際演奏すると
とにかく清志郎独特のグルーヴを再現できない

最初のリハで録音した音を何度も聴きかえして
オリジナルを何度も聴きかえして何が違うのか探るんだけど
それでもヒントすら掴めない

「どうすりゃいいんだ、これ!」

ちょっと途方に暮れちゃいました
とにかく自分の歌唱力が追いつかない

でもね、最後の最後でちょっとだけ見えた風景がある
すごく勉強になったし練習になりました


「自由」は1984年頃の作品で

RCが所属事務所「りぼん」から独立して
「うむ」を設立した頃のことを歌ったんだと思います

1984年の僕はと言えば
誕生日のプレゼントにエポック社の野球盤を親にせがむような
小学校低学年の子供ですよ

その頃のことは当時のマネージャー片岡たまきさんの著書
「あの頃、忌野清志郎と」にサラっと書かれている

短いこの人生で一番大事なもの
それは俺の自由、自由、自由

この歌詞にある通り
忌野清志郎は短い生涯を駆け抜けてしまう

わがままで言いたい放題
自分勝手な歌と思われるかも知れないけれど
本当はそうじゃない

誰よりも相手に気を遣う
忌野清志郎という人の優しさと繊細な部分を僕は感じてしまう

そして相当な覚悟を必要とする歌

「俺は法律を破るぜ」っていう詞で
組織のやり方に真っ向から立ち向かおうする

「責任逃れをするぜ」だなんて

こういうカッコ悪いことを平気で歌えちゃうのは
忌野清志郎かジョン・レノンだけだと思う

だけどそうすることで
相手の逃げ道を作ってあげる優しさなのかなとも思う

「俺の贅沢は治らねえ」とやっぱりどこか自分を悪者にしている

そして
こんな風に何度も叫ぶ

すべての奴らに自由を

自由を手に入れることはきっと簡単なことだと思う
覚悟があるならね

清志郎が伝えたかったことは
そういうことなんじゃないかなって思いながら

この歌を歌わせてもらいました

清志郎








去年までの清志郎追悼ライブでは
ラプソディをよく歌ってました

その理由はまた今度

祝・全国発売

本日5月1日
エゴッタマングループの1stアルバムが全国発売となりました♪

タワーレコードオンライン
http://tower.jp/item/4468225/EGOTTAMAN-GROUP

Amazon
https://www.amazon.co.jp/EGOTTAMAN-GROUP/dp/B06XHJFJC9%3FSubscriptionId%3DAKIAIHQZTXT4T5YYPGRQ%26tag%3Dlivehousecom-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB06XHJFJC9

TSUTAYAオンライン
http://shop.tsutaya.co.jp/cd/product/4525118067722/

などなど
各オンラインショップならびに店頭にてお求めいただけます
(ただし店頭でのお求めは取り寄せになります)

そして先日4月22日のレコ発ライブ東京会場の模様を
平田愛さんにレポートして頂きました

当日お越しになれなかった皆さまに
雰囲気が伝わればと思います

ご一読ください♪


=エゴッタマン・グループレコ発レビュー=
2017年4月22日(土) HEAVEN青山 文と写真:平田愛

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2017年4月22日、雨の外苑前。
私にとって、外苑前は特別な場所。
東京で年に1度、お囃子を聴きながら郡上踊りが踊れる大切な場所。

故郷の匂いや味や音を楽しめる場所なのだ。


でも今日は、ロックを求めて来た。
ロックを聴きに、外苑前のHEAVEN青山へと来た。
ギターの音とドラムとベース、お酒と何かを求めて。
その何かが分からなくても、きっとロックが教えてくれる事だけは分かっている。


昨年6月クローフィッシュ赤坂で玉木洋平君の声に痺れてしまって以来、彼の歌声に会いに来たのは、

今日が彼のバンドEGOTTAMAN GROUPの1stアルバム発売記念のライブだからだ。


EGOTTAMAN GROUPのライブは初見だ。でも、ペンとメモとビールを手に期待しかない。

DJKUME氏が作り出すBGMに、期待が安心に変わっていく。


Bob Dyranの『雨の日の女』が掛かった瞬間に、時計を見なくてもここからが今日の始まりだとわかった。
昔からのEGOTTAMAN GROUPファンみたいな気分になった。

セットリスト、必要かな?いらないね?
レビューにセットリストを載せるのは、文字数稼ぎが必要だからだ(極論)。

私がセットリストまで書いてると、文字数が多過ぎて誰も読んでくれなくなるから。それは困る。


ゲストとして演奏した高木栄一郎氏が、

「EGOTTAMAN GROUPの『流星』という曲を初めて聴いた時、俺の曲だ!と思った」

とMCで語り会場の笑いを誘っていたその曲からのスタート。


こんなに懐かしくて哀愁が漂うのに、愛が溢れるロック。これは、誰もが自分の曲だ!って思うかもしれない。初っ端から鼻の奥がツンとしてしまう。


もしもEGOTTAMAN GROUPのアルバムを手に入れたら、メロディは勿論、歌詞をしっかりと感じて欲しい。

美しい日本語が散りばめられている。花や風や信じる事や歌や生や夢が、存在する。

セックス・ドラッグ・ロックンロール。
ロックが如何わしい魅力で、若者を魅了していた時代があった。
だけど、若者達は分かっていた。
ロックが如何わしいんじゃない。
ロックを如何わしいと感じる大人が如何わしいんだ。
僕達は、そんな如何わしい大人にならない。
その反抗と覚悟達が、ロックをもっともっと魅力あるものにした。
そのロックが、此処にある。
この瞬間に、そのロックを感じる。


EGOTTAMAN GROUPは、そのロックを感じさせてくれる。
そのロックじゃなきゃダメなんだって事を思い出させてくれる。


あっという間の60分。
揺れる。歌う。笑う。歌う。
アンコールになって、ずっと気になっていたタイトルがやっとステージから飛ぶ。
『ロックの奴隷』

そうだ、私も『ロックの奴隷』だ。
私のSGの弦は錆びて、埃を被っているけれど、間違い無くロックの奴隷だ。
ライブ前に求めていた何かの答え、それが『ロックの奴隷』だ。

手放す事の出来ないスマートフォンの中には、数え切れないロックが詰め込まれている。
昨日も今日も明日も来年も10年後も死ぬまでロックを聴き続けているだろう。

ロックが無ければ、今の自分は存在しない。

そして今日、私のロックのライブラリに、EGOTTAMAN GROUPが追加された。


【追記】

EGOTTAMAN GROUPのギタリスト毒イトー氏の『いいんだぜ』ファンにとってはお馴染みだろう。

この曲については、文字にしたらダメなのは分かってる。でも、書かせて。

世界の神様仏様の誰よりも優しく寛大な許し(赦し)を得られる、こんなにバカバカしい曲は、他に無い。

最高にロック。こんな神様ソング、聴いた事がない。


多分(絶対)ライブでしか聴けないから、みんな、絶対ライブで聴いて!一緒に歌おうよ!



【2017.4.22.HEAVEN青山セットリスト】

Opening S.E. Rainy Day Woman(Bob Dylan)

1.流星

2.デッドフラワーズ

3.転がる石のように(Bob Dylan)

4.赤い大地

5.石畳に咲く花

6.いいんだぜ(中島らも)

7.Starting Over(John Lennon)

8.Feel

9.ビューティフルデイズ

アンコール

1.ロックの奴隷

2.シングルフラワー



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リリース情報
EGOTTAMAN GROUP
1st Album
『EGOTTAMAN GROUP』(DRLR-001)
\2000+TAX
ライブ会場、タワレコ、アマゾン等
オンラインショップで発売中!
ライブ情報
2018年9月8日(土)
山梨Northland Camper's Village
エゴッタマングループ
SHIME他

2018年9月29日(土)
横浜THE CLUB SENSATION
タマ・ペティ&ブロークンハーツ
KEIKO WALKER BAND

2018年12月15日(土)
渋谷テラプレーンブルース
エゴッタマングループ
錆びたアレ


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ライブなどのお問い合わせは
egottaman@gmail.com
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