第100回記念大会となった今年の全国高校野球甲子園大会
決勝は大阪代表・大阪桐蔭と秋田代表・金足農業の対戦となった
大阪桐蔭が勝てば史上初の2度目の春夏連覇
金足農業が勝てば東北勢初の全国優勝
しかも秋田県勢としては第1回大会以来103年ぶり(戦争で中断してるため)の決勝進出
恐らく今高校野球で最も強い大阪桐蔭に対して
金足農業のエース吉田君がどこまで投げるかという注目のカードとなった
また大阪桐蔭は昨年も春夏連覇を目指していたが
3回戦の仙台育英戦で9回2アウトから一塁・中川選手(当時2年)のベース踏み損ないがきっかけで
延長サヨナラ負けをしており
その中川選手が今回主将として再度春夏連覇を目指して帰ってきたこともあり
個人的にとても注目していた
結果はご存じの通り
金農のエース吉田君を攻略した大阪桐蔭が優勝
連日猛暑の中開催された大会は幕を閉じた
そんな中
年々変化する気候環境に対する懸念と
選手の体調管理が問題視されている
特に金足農業の吉田君が1回戦から決勝まで実に54イニング中50イニングを投げ
秋田大会初戦から約1か月強の間に1517球を投げたことで
「投げ過ぎ懸念」が広まり
某元知事などはわざわざツイッターで批判するまでに至った
自分なんかは
全試合を一人で投げ抜くという
まるでタッチの上杉達也のような投手の登場に魅力を感じてしまって
やはり昭和の価値観の持ち主なんだなと思ったよ
ワイドショーなんかでも訳知り顔のコメンテーターぶった芸能人が意見を述べたり
SNSなどでも様々な意見を散見した
それゆえ高校野球甲子園大会が世間に注目されている証拠でもあると思うが
同じ高校スポーツでもこの時期にインターハイが開催されていて
サッカーや陸上が行われていることを認識している人は少ないのではないだろうか
インターハイのサッカーでは通常40分ハーフ(一般は45分ハーフ)で行われる試合を
35分に短縮して開催されていた
野球に関してはタイブレークというルールが採用され
時間短縮が図られている
(自分は中学の大会でタイブレークにより敗れてとても不完全燃焼だったのでこのルールあまり好きじゃない)
そこで投手の「球数制限」という議論が起きているのだけど
果たして本当にそれで問題が解決するのかどうか
興味深い記事を見つけたのでここに貼り付けておく
ちょうど現在の児童スポーツの分野は
僕たちが教わってきた根性論に沿う”悪しき古き指導”(笑)から
専門的かつ具体的根拠がある論理的な指導に移り変わろうとしている
それはスポーツをする子どもたちにとって
とても素晴らしいことだと思うし
きっと将来的にも役に立つことばかりだと思う
自分も最近わが子のバスケの現場に立ち会わせて頂くことが増えたので
とてもよく分かる
だが一方で
日本中の人々を魅了する甲子園という舞台
そこで生まれる数々の筋書きのない感動のドラマ
そこには理屈では片づけられないものが存在する以上
すべてを論理的に解決することはとても難しい
「オヤジの栄光時代はいつだ?全日本の時か?
俺にとっては”今”なんだよ」
試合中に背中を痛め選手生命の危機という不安を抱えながら
そう言ってのけたバスケットマン・桜木花道のように(漫画『スラムダンク』参照)
甲子園の舞台で「たとえこの肩壊れようとも」と青春を燃やす球児がいるのである
スポーツをすることは
決してプロになるためだけではない
練習や試合を通して自己実現を図り
戦友と呼べるような生涯の仲間を作り
その後長く続く人生の礎となる場であると思う
今年高校野球を卒業する球児たちの中で
その後プロや大学で野球を続けられる球児が果たして何人いるのかわからないが
もしかしたら今後導入されるかも知れない球数制限によって
不完全燃焼で散っていく若者がいるかも知れないということも
大人たちは理解してあげないといけないと思う
世論だけに流されてルールが変わるようなことがあってはいけない
青春期に悔いを残すことが
その後の人生にどれほどの影響を及ぼすかを
自分はよく知っているつもりである
間違いなく言えることは
球数制限の導入によって野球有名校と一般高との格差は
さらに拡がることだろうということも付け加えておきたい
「プレイヤーズファースト」
本当に大切なことは
球数制限でも空調の効いたドーム球場の手配でもないのかも知れない
だって全ての球児が憧れる場所・・・遥かなる甲子園なんだもん