週末のライブに
久しぶりに家族が観戦に来てくれた

翌日も早くからバスケの練習だし
無理しないようにって言っといたのに

子供たちが観たいと言って聞かなかったそうだ

僕の歌を聴く汐音と花凜と多聞

最近書いた曲の題材は
この子たちが悩んだり苦しんだり時に大きな喜びを手に入れたりし
ながら

喜怒哀楽を親子で共有しながら
少しずつ人として成長して来た日々を描いたものばかりで

もちろん子供たちはそんな事など知らないのだけど
届け、父の想い!

そんな気持ちで歌いながら
途中少し感極まるものがあった

いつか
子供たちが好きなものや人を見つけて
それを自信を持って好きだと言える人生を歩いて欲しくて
そんな世の中であって欲しくて

パパは音楽が大好きだよと
子供に言って聞かせながら
どこかで自分に言い聞かせながら
ここまで歌って来たような気がする

そんな言い方をすると
一見子供たちのために歌っているように聞こえるかも知れないけれ

決してそんな事ではなくて

基本自堕落でダメ人間な僕が
父親として僕にできることは限られていて
それは歌だと信じてやってきた

もしかしたら
それはただの自己満足に過ぎないのかも知れない

でもその思い込みのおかげで
ここまでやって来れたのも確かなんだ

そしてもう一つこの夜気づいた
僕は自分の意思で歌ってきたつもりでいたけれど

今となってはこの子たちに
歌わせてもらっているんだと

詩もメロディも
この子たちがいなかったら
もう僕には書けないし書く必要がない



汐音、花凜、多聞は
バスケという大好きなものを見つけた

いつまで続くかは分からないけれど
今この瞬間の情熱と輝きは
生涯の宝になるだろう

そしてその情熱と輝きに敵うものを
僕はもう持っていない事に気づかされてきた

子供たちにとって必要なものは
歌を歌う父親ではなく
バスケの活動をバックアップしてくれる父親だ

だからもう降りようと思っていた
8月の横浜のライブを最後にしようと考えていた

田中ヤッチさん、湯川ト−ベンさん、松本淳さんの
EGGにコテンパンにされてスッキリ終わろうと考えていた

でも出来なかった

曲が湧いてきてしまった
スタジオやステージで未だ色褪せない
初めての時のあの感覚が
やっぱりとても心地よかった

スタイルは違うけれど
いつか自分も対バンしたEGGのような
観客を圧倒するような自分だけのグルーヴを見つけたいと思った

そして何より
音楽やってこなかったら得られなかったであろう
僕の周りの全ての尊敬し愛すべき
ミュージシャンや音楽ファンの方々

そんな僕の財産を手放す勇気がなくて
やっぱりもうしばらく
音楽の世界にしがみついていようと思った

そんな事を思わせてくれたのも
やっぱり子供たち

「わたしたちも頑張るからパパも頑張って」

少し思春期に入った汐音が
そんなメッセージを届けてくれたような気がした

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