やはり人は
大地を赤く染めるのを
止めることができない

そういう生き物なんだろう

ジャーナリスト
山本美香さんが亡くなったとき

悲しみを止められなくて
赤い大地という曲を書いた

あれから2年半
後藤さんと湯川さんが人質に取られ
殺害された

山本さんは現場で巻き込まれての死
後藤さんと湯川さんは
人質にとられ意図的に殺害された

状況はまるで違う
そして今回の件で
悲しみはまったく感じない

渡航禁止令が敷かれる中
湯川さんに関しては英語すら話すことができずに

何を求めて
何を使命として
現地に赴いたのだろう

テレビでは早くも
後藤さんの死が美談化されているように感じる

後藤さんのメッセージを受け止めよう
感じよう

でも俺は今
何も感じない

感じるのは

この一連の事件が
仕組まれたストーリーなのではないかということ

憲法改正
アメリカの都合
報道と世論操作

人道支援とは言え
平和憲法を持つ日本の首相が

「ともに戦う」
と発言したこと

その上でなんの抵抗もできないまま
戦争外交ズブの素人感丸出しで
見殺しにしてしまった

その事実を
世界に露呈した

お二人には
大変気の毒だけれど

後藤さんは
きっと天国で納得しているだろう

そして申し訳ないけれど
二人の死を悲しむ余裕はなく

日本が歩いてきた戦後と未来に
恐れと不安を抱くことしか

今はできない