一週間の大阪高島屋フェアを終えた翌日

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西宮に少し立ち寄った足で
学生時代を過ごした京都に向かった

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というのも
3月の京都伊勢丹以来ドローレをひいきにしていただいている
お客様のご主人が

なんと僕が学生時代にバイトしていた肉料理専門店『とん吉』の
マネージャーの中学高校の同級生で

お客様ご自身も何度も店に来ていたというのだ

「じゃあきっとお会いしてるんですね〜」

そんな話を高島屋の売場でしたもんだから
なんとなく店があった場所に行ってみたくなったのだ

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大阪淀屋橋から京阪電車に乗って
中書島で降りる

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坂本竜馬が最期を迎えた土地であり

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月桂冠や黄桜を抱える酒の町だ

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バイトが終わるとよく飲んだあの店はあるかな〜
なんて思いながら店の名前を思い出せずに歩いていると

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あった!
なみちゃんだ!!

すごいなー
あれからもう20年経つのに

まだありました♪
嬉しくなる

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なみちゃんでべろんべろんになって
この橋を渡る時はいつもふざけて川に落ちそうになっていた

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そうしているうちに
坂本竜馬最期の場所・寺田屋に

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見学なんぞをしてみる

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実は初めて入った(笑)

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4年も通っていたのに・・・

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ここの黄桜も見学できるんだけど
行ったことないし(笑)

まあ
住んじゃうとそんなもんなんだろう

僕が京都時代に好んで通った場所は
叡山電鉄に乗っていく鞍馬寺から貴船神社の
山ん中の散策コースくらい

よく行き詰って
独りで山の空気を吸いに出かけた

学生のくせに行き詰るって
生意気だよねー

なーんにもしてないクセにねー

悩みはいつの時代も
それなりにあるってことですね

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すっかり観光していました
バイト先です

手前のひょうたんは昔からある店で
奥のラーメン屋になってる場所が
『とん吉』があった場所

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この奥に米櫃があって
いつも出勤するとまず米をガス釜で炊くのが仕事だった

4年間のうち3年生の一年間はサークルの会長の仕事が忙しくて
バイトどころじゃなくジリ貧だったけど

それでも時々

「メシ食ってるけ!?」って電話くれて
ごちそうしてくれた

それ以外の3年間は
ほとんどこの場所で食わしてもらっていたと言っても
いいかも知れない

サービス業、接客業の面白さを教わったのもここだし
男としての生き方を叩き込まれたのもここだし
酒の飲み方、飲んでるときのタバコのたしなみ方
美味いモンと不味いモン
大量の皿の洗い方
米の洗い方と炊き方
美味しい味噌汁の作り方
おでんの隠し味にはブイヨンを入れた方がいいこと
牛肉のたれ焼きは肉が少し赤いタイミングでタレを入れて焼くこと
おいしいご飯の盛り方
上手な生ビールの入れ方
お客さんにビールをおかわりしてもらう接客方法

などなどなどなど

たまに怒られもしたけれど
だいたいいつも楽しくワイワイとやっていた

ずっとそんな時間が続いたらいいのになと
思っていたし

社会に出てもきっと京都に来たら
この店に食べに来るんだろうと思っていたのに

店は突然閉店を迎えてしまった

大学生活も終わりを迎えようとしていた雪の日
その日はちょうどマネージャーと二人だけで出勤していた

天気のせいもあり
開店から客足もポツリポツリでヒマで

仕方なく野菜を仕込んだり
冷蔵庫の中を掃除したりして時間を潰していたら

マネージャーが突然

「玉木なあ、この店閉めるねん」

とポツリと言った

あまりに突然のことで
僕は言葉もなかったのだけれど

あまり実感もなく
裏へソースを入れ替えに行った

そしたら突然
涙が溢れてきて

悔しくて寂しくて仕方なくなり
しばらくバックヤードで声を殺して泣いていた

あまりに戻ってこない僕を心配して
マネージャーが様子を見に来て

泣いている姿を見られてしまった

「どうしてん、お腹でも痛いんけ?」

マネージャーはそういって
戻っていった

なんとか落ち着かせて厨房に戻ると
マネージャーは神妙な顔をしながら

「玉木ありがとな・・・」

と言って店を閉め

「今夜つきあってくれるけ」

と焼肉の準備を始めた

外は雪がいっそう強くなっていた

言葉を発すると泣いてしまうから
二人とも口数も少なくて
その日の焼肉はたぶん人生で一番不味かったと思う

でもそんな重い空気に耐え切れずに
想いを口にしたとたん

僕はまた泣いていた
マネージャーも泣いていた

二人で泣きながら焼肉を食べて
ビールを何杯も飲んだ

やっぱり全然美味しくなかったけど

「美味いなぁ、美味いなぁ」
って言いながら食って飲んだ

もうこの焼肉食えなくなっちゃんだと思うと
また泣けてきた

重いハナシになっちゃった
だけど4年間の楽しい経験と
最後の最後の悔しい思い出があるから

今もなんとかやれているんだと思っている

人生で一番不味い焼肉を食べた翌日
僕は大阪心斎橋のサンホールで

学生時代最後のライブを終えた

なんだかいろんなもんがいっぺんに終わってしまったようで
とてもやり切れなかったのを覚えている

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