雨の日の朝は
通勤ラッシュの電車に乗って

下の娘はベビーカー
上の娘の手を引いて

傘差して
車や人やちょっとの段差
君の歩幅にも気をつけて

ゆっくりゆっくり
ちょっとずつ進もう

駅から保育園に向かう道
手をつなごうと言うけれど
「おんぶがいい〜」と
泣きながら歩いた

おんぶしてやりたくても
おんぶしてやれなくて

「がんばれ!あと少し!」
声かけながら進むけど

ますます泣き声大きくなった

下の娘振り向き心配そうに
「あんばて〜(がんばって〜)」
とかわいい応援


レインコートのフードが何度もめくれるから
かわいいおでこが濡れちゃったね

泣きながら頑張って歩いたけど
顔は雨と涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっちゃったね

保育園についてちゃんと拭いたら
ちゃんとキレイになってたよ


ちょっとだけでいいのは分かってるんだよ
最後にほんのちょっとだけ
時間にしたら5秒くらい
抱っこしてギュってしたら

君は安心したように
ニッコリ笑って元気に部屋に飛んで行った

それまでの涙が嘘のように
大好きな先生に抱きついて

大きく手を振って
「パパばいばいっ!」
大きな声で見送ってくれた

「行ってきます」

心配ないよ
がんばる君の小さな背中

うれしい反面
少し心が痛むんだ

そんな雨の日のバラッド